エリオット波動に基づいたロスカット


では、ロスカットにこのエリオット波動を用いることを考えてみましょう。単なるギザギザだけでは幾らまで株価が上がるか、そしてどれだけ下がるかが分かりませんので上の図の1ユニット部分の上昇波動部分を用いて説明します。このエリオット波動は数学的な要素もたぶんに含んでいます。といっても難しい話ではありませんので、妙に構えたりしなくても大丈夫です。中にはご存知の方もいると思いますが、フィボナッチ級数という数の列、数列が関係しています。別にフィボナッチ級数の由来や、数列を覚える必要は全くありません。ただ前述したとおり、自然の摂理が影響しているという漠然とした捉え方でよいのです。

エリオット波動の上昇部のイメージ

エリオット波動の上昇部のイメージ

ちなみにフィボナッチ級数というのは、1、1、2、3、5、8、13、21、34…という数字だけ見たのでは分からないかもしれませんが、この書き方だと隣り合う数字を足すと、その右側の数字になるというものです。たとえば8と13を足すと21になるというものです。これが何に関係するの?ということになりますが、この数字自体が関係するのではなく、この数列は上位の数字に対して1つ下の数値は0.62倍、逆に下位の数字に対して1つ上の数値は1.62倍になっており、この0.62倍と1.62倍というのを利用します。(数値が小さい1とか2などは誤差が大きいので気にしないでください)

上昇波動部分だけをピックアップすると上のような関係になります。(緑線の左側)0-2の長さは0以上つまり2の値は0を割り込むことが無いとします。少し分かりにくいので、実際の株の値段で例えてみましょう。

  1. 0点で1000円の株価だとします。(底値ということとしてください)
  2. そして1の点で1010円になったとします。株価は10円上昇したことになります。
  3. 次に2の点まで下がって1005円だとします。株価は一旦5円下げたことになります。
  4. 次に株価が3に到達するのですが、これが上の図の数値を用いて2-3が0-1の1.62倍であるということですから10円×1.62=16円となります。
  5. 3の点は2の点から16円上がったところですので1005円+16円=1021円ということです。
  6. 次に一旦下げて4の点に落ちますが、その次は5の点を目指します。
  7. 5の点は0-3の長さつまりこの場合21円の0.62倍になりますから21円×0.62=13円です。
  8. 4の点が3の点から10円下げたとすれば1011円ですから1011円+13円=1024円が5の点の株価、つまり最高値ということになります。
  9. ここで注意が必要なのですが、4-5の長さで上で計算しましたが、3-5の長さあるいはその間の長さの場合もあるということです。3-5の長さを適用すると3の点は1021円ですので、13円の上昇分を1021円に加えた1034円が5の点の株価の可能性もあるわけです。つまり5の点はこの例では1024円~1034円の間の株価になるということです。
  10. また2と4の点の株価は計算できない、つまりどこまで下げたかを知った上でないと3の点の株価、5の点の株価は計算できないということになります。

以上のように全ての点を一度に計算できないわけですが下げた点が分かると次にどれだけ上げるかが分かるわけです。もちろんドンピシャな株価になるとは限りませんので、その点には留意が必要です。一体どこまで上がるんだ?というようなときに目安として計算できる方法と考えておくのが良いでしょう。

ではロスカットはどうするかということになりますが、谷である2の点は0の点を下回らない、4の点は2の点を下回らないことをベースにして、次のように設定するのが良いだろうと考えます。

  • 0点で株を買ったとすれば、そのときのロスカットは個々人の考えで、例えば「買った株価の-3%」とする、ということで良いと思います。上の例で言えば1000円×0.97=970円となります。
  • 0-1及び1-2の部分では0点以下にならないので、ロスカットは買った株価あるいはそれより1tick下の株価などにしておけば良いと考えることができます。上の例で言えば1000円または999円ということになります。
  • 次に2の点が確認できたらロスカットは2の点の株価あるいはそれより1tick下の株価などにしておけば良いでしょう。上の例で言えば、1005円または1004円ということになります。
  • さらに4の点が確認できればロスカットは前項のように4の点の株価などにすれば良いでしょう。上の例で言えば、1011円または1010円ということになります。
  • このとき初めて目標株価、つまり利益確定の売り目標を立てても良いでしょう。その点は前述の通りですがあまり欲張らずに、かつ3の点の株価より上に設定すれば良いと考えます。上の例で言えば、1024円~1034円の間で指値売り注文をだすということになります。

以上のようにロスカットの設定は波動にあわせて切り上げていけば仮にイレギュラーがあったとしてもロスは少なく済ませることが可能になります。